投稿

3月, 2022の投稿を表示しています

第17回哲学カフェ参加募集 テーマ:「責任」とは?

○日時:4月23日(土)13:00~14:00 ○場所:南海高野線堺東駅周辺のカフェ ○申込:4月22日(金)20:00までに、主催者まで連絡。 ○集合:4月23日(土)12:45、南海高野線堺東駅改札前(北野田方面側) ○目印:緑の本(河野哲也「ゼロからはじめる哲学対話」) ○費用:参加費無料。ただし、カフェでの飲食代は自己負担でお願いします。 〇備考:蔓延防止措置や緊急事態宣言等が発令された場合は、オンライン開催に変更となります。 ○テーマ:「『責任』とは?」 ○参加条件 1 哲学に興味のあること。(専門知識や学習歴は不問) 2 「対話を通した探求」という方法論に同意すること。 3 特定の立場を正統と見なしたり、他者に強制したりしないこと。 ○ルール 1 自分の意見は、分かりやすく、簡潔に発言する。 2 他人の意見は、きちんと聞いてから、質問や意見をする。 3 対話を聞くだけの参加も認め、発言は強制しない。 ○参考 前回の活動報告は下記を参照してください。 https://south-osaka-philosophy-cafe.blogspot.com/2022/03/16.html

第16回哲学カフェ活動報告 テーマ:「反出生主義」とは?

○日時:2022年3月19日(土)13:00~14:00 ○場所:オンライン開催 ○参加者 淡野(40代男性) Mさん(20代男性) Tさん(30代男性) Kさん(30代女性) ウルフさん(50代男性) ○テーマ:「反出生主義」とは? ●「反出生」を巡る議論 ・「反出生」ということについて、古代から色々と議論されてきました。例えば、古代ギリシアにおいて、「人間にとって最善とは何か?」という問いに対して、酒と陶酔の神ディオニュソスの従者が「最善は生まれてこないこと。次善は生まれて間もなく死ぬこと」と回答したという逸話が有名です。 ・古代インドにおいては、「輪廻」からの「解脱」、即ち「二度と生まれてこないこと」が様々な宗教や哲学の「至上目的」の一つとされていました。よく誤解されていますが、仏教の四苦、「生老病死」の「生」は「生きること」ではなく、「生まれること」が苦しみだという概念です。 ・西洋に目を向ければ、「悪神による世界創造」という神話に基づき、現世や現世に生まれることを「牢獄に囚われる」ことと同じと見なしたグノーシス主義が代表例です。勿論、「原罪」を強調し、現世での生活を「原罪」に対する罰としての苦役と見なすキリスト教神学も、私からすると同じような発想だと感じます。 ・では、皆さんはどういう切り口で「反出生」を扱ってみたいでしょうか? ●「反出生」と「誕生害悪」論 ・そもそも私が「反出生主義」に興味を持ったのは、私たちの素朴な感覚と真逆な主張をしていると感じたからです。普通、私たちは生きていることは良いことだと考えていますし、生まれることはお祝いすべきことだと素朴に感じているからです。 ・私が「反出生主義」の議論を面白いと感じるのも同じです。私たちの素朴な直観に反する結論を、「快楽」を「善」、「苦痛」を「悪」とする功利主義的な倫理から出発して導き出すからです。 ・哲学的な議論としては、仮に功利主義的な倫理を公理として受け入れたとしても、必ずしも「反出生主義」が正しいとはならないと私は考えます。「反出生主義」の代表とされるベネターは、功利主義の原理に続いて、「快楽も苦痛も感じない不在の方が存在よりも良い」と主張しています。しかし、古典的な功利主義は、「最大多数の最大幸福」という「快楽の最大化」を目指すもので、「誕生」そのものを「害悪...