第2回哲学カフェ活動報告 テーマ:「哲学する」とは?

○日時:2020年12月19日(土)13:00~15:00

○場所:「喫茶店スイス」本店

○参加者
淡野(40代男性)

Kさん(30代女性)

ウルフさん(50代男性)

○テーマ:「哲学する」とは?

●哲学のイメージ

・難しそうなことを、真剣に追及していくもの。

・答えのないことを問うたり、考えたりするもの。

・狂気と紙一重な毒のようなもの。ワクチンのように、使い方によっては社会に役立てることもできる。

・「科学」の母体となったが、今では残りかすのようなもの。

●「哲学」の起源

・「哲学」は古代ギリシア語の「知恵を愛する」(フィロソフィア)が語源で、不死なる神々は「完全な知恵」(「ソフィア」)を持つが、死すべき人間は不完全な知識(「ドクサ」)しか持てないという当時の認識論を前提とする命名。

・日本語の「哲学」という用語は、西周が原語の「知恵を愛する」(フィロソフィア)から、「愛する」を「希(こいねが)う」と、「知恵」を「哲」(道理に明るい、賢い)と訳したもの。

・古代において、「哲学」は「真理の探究」全般を指し、現代における「学問」や「科学」に相当する一般名詞でもあった。

●「哲学する」とは?

・物事の本質を問うこと。例えば、法学においては、「法とは何か?」と問う営みは「法哲学」と呼ばれるように、対象の本質を探究すること。

・原理や法則を考察すること。個々の具体的な事例ではなく、一般的な概念や普遍的な真理を追究すること。

・常識や権威を疑うこと。例えば、実際に体を動かして働く仕事よりも、頭を使う仕事の方が重要で高度とされているが、そのような「当たり前」を疑い、本当はどうなのか、何故そうなっているのか等を問うこと。

●現代で「哲学する」ことは可能か?

・哲学者の著作や哲学の研究論文を読んだり、哲学用語を沢山覚えたりしても「哲学する」ことにはならない。自分自身で「当たり前」を疑い、物事の本質や原理を問うていく必要がある。

・「哲学する」ことで生活することは難しい。「哲学相談所」等のような試みはあるが、心理学のカウンセリングのように上手くいくという保証はない。

・「哲学する」ことも、やり方を間違えれば、新興宗教やスピリチュアル等のカルトと区別がつかなくなる。そもそも、カルトかどうかは、その内容ではなく、内容に対する態度で決まってしまう。

○雑談

・古代において「哲学する」ことが出来たのは、労働する必要のなかった自由市民のみだった。

・ソクラテスは天才的な人たらしなので、現代なら起業して大成功をおさめている可能性がある。

・「共同体」や「道徳」等を考えるためには、「神」や「血」という概念を避けることはできない。

・「哲学」というカテゴリーが生まれたのは、キリスト教が護教論や神学を構築する際に、古代ギリシア・ローマの思想を利用する必要があったため。「哲学」と「宗教」を厳密に区別することが出来るというのは、ある意味では西洋思想の偏った見方であるとも言える。

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